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校長室より

この気持ちは何だろう

職員室の前の図書コーナーには、谷川俊太郎さんの特集が組まれています。司書の先生が展示してくれました。その昔、合唱曲の「春に」に心惹かれたことを覚えています。忙しい日々ですが、ゆっくり詩や小説を愉しむ時間もつくりたいなぁと思っています。秋の夜長、皆さんはどう過ごしていますか。

2学期始業式 挑戦し続ける・・

2学期が始まります。皆さんは、どんな夏休みをすごしましたか。夏休み前に、「一期一会」という言葉を紹介し、1日1日を大切にしてほしいというお願いをしました。みなさんできたでしょうか。

 

私事になりますが、お盆の時期に小学校の同窓会がありました。古い友人に何十年ぶりに合い、昔話に花が咲く楽しい時間を過ごしました。そのとき、5・6年生で担任だった恩師にも参加していただきました。もう77歳でしたが、大変お元気でした。私が大好きな先生で、自分が教員になろうと思ったのは、その先生の影響でした。

同窓会のあいさつでその先生がおっしゃった言葉が印象的だったので、みなさんに紹介します。

「みんなも私もどんどん年をとるけれど、やりたいことに挑戦することが大事だよ。うまくいかないことも多いかもしれないが、大切なのは倒れないことより、すぐ起き上がることだ。失敗のない人生こそが失敗なんだ。」

本当に心に染み入る言葉でした。この年になっても、先生から教わることが多いなぁと感じました。

 

失敗を悔やまず恐れず、いろんなことに挑戦することが大事なんだなぁ・・と、そんなことを考えていたある日、ある動画に出会いました。

バスケットボールのスター選手で、ステフィン・カリーという選手がいます。試合のここぞという場面でスリーポイントを決めることができるスーパースターです。スリーポイントの成功率は何と4割以上です。

私が見た動画は、そのカリーが、来日して日本の子供たちにシュートを指導している場面でした。

ある女の子が、カリーと何百人の観客がいる前でシュートするのですが、うまくいきません。そのとき、カリーは女の子に声をかけます。その場面が本当に最高です。

皆さんもぜひ見てください。

 

(動画視聴) 「You gotta shoot till make one.」

 

どうですか。カリーもかっこいいし、女の子もかっこいいですね。そして、それを応援するまわりの人もかっこいいですね。私は、カリーの言葉と、先ほどの77歳の恩師の言葉と重なる部分がたくさんあると思いました。

1学期、ひょっとしたら、勉強や部活でうまくいかなかったこともあるかと思います。2学期は、しっかりと起き上がり、前へ前へと進んでください。職員みんなで応援しています。

1学期終業式にあたり

1学期の終業式を迎えました。みんなにとって、たくさんの出来事があった1学期だったと思います。

1年生は、初めての中学校生活に戸惑いながらも、一生懸命学校生活に取り組む姿がありました。新しい人間関係をつくるのは、なかなか大変だったと思いますが、いろいろなトラブルを乗り越えていい学年になってきています。1年生がいる2階からは元気な声が響いていましたが、いざ授業になると集中して取り組んでいました。

2年生は、どのグラスもパワーがあふれていました。そのパワーを持て余し気味の所があるようです。部活では新チームのリーダーとなります。持ち前のパワーを、皆を引っ張る方向に使ってください。

3年生は、いつ授業を見に行っても、真剣な表情で取り組んでいました。さすが3年生だなと思って見ていました。進路選択がかかる大事な夏休みです。しっかり勉強して、自分の道を自分の力で切り拓いていってください。

 

ここに木で彫った言葉があります。『一期一会(いちごいちえ)』と読みます。私が大切にしている言葉で、美術の先生が作ってくれました。

一期一会とは、茶道に由来する言葉です。お茶会に臨む際には、その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということを心得て、亭主・客ともに互いに誠意を尽くす・・ということを意味しています。

転じて、お茶会に限らず、「あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう」という意味で用いられます。

 私は、今生きているこの時間を大切にしたい、精一杯生きたい、という思いがあり、この言葉を大切にしています。

学校での毎日の授業も、この集会も、明日からの夏休みの日々も、同じようなことの繰り返しに思いますが、実はもう二度と同じことがない大切な時間です。南部中学校の生徒一人一人が、これからの自分の時間を大切に使ってほしいと願っています。

この夏、自分の心に輝く十字星を見つけるために、勉強や部活動に頑張ってほしいと思います。みなさん、よい夏休みを。

加賀地区大会に向けて

いよいよ3年間の総決算の大会を迎える皆さん。ユニフォームに身を包んだ皆さんを見ていると、頼もしく感じます。南部中学校の代表として各チームの代表として、全力でプレーしてほしいと思います。

 私も教員生活の中で、たくさんの部活動に関わり、顧問として大会に臨んできました。そのときに心掛けたことや、メンバーに伝えたことを話します。

 一つ目は、「信じる」ということです。

3年間頑張ってきた自分の力を信じること、共に頑張ってきた仲間を信じること、最後までチームの勝利を信じること、このことが大切だと思っています。信じることで自分本来の力が発揮できたり、また、思わぬパワーを発揮できたりすることがあります。

 二つ目は「感謝」ということです。

これまで指導いただいた方々へ、また、お弁当を作ってくれたり送迎をしてくれたり、何より皆を全力で応援してくれた家族に、そして共に頑張ってきた友達に、実際の言葉で、また、言葉では言わずとも心で感謝の気持ちを伝えてほしいということです。感謝の気持ちは、自分の心を整えることにつながると私は思います。心が整えば、自分相手の状況を冷静に捉えて、落ち着いて戦うことができると思います。

 三つめは、「楽しむ」ということです。

自分が好きなことに熱中できることは本当に幸せなことだと思います。緊張するとは思いますが、笑顔で楽しんでほしいと思います。楽しむことや笑顔が力になることは、過去のいろんな試合で証明されています。

信じること 感謝すること 楽しむこと

この3つを心にとめながら、全力でプレーしてください。

全ての試合を見に行くことはできませんが、みんなが小松の南十字星になって輝くことを願っています。頑張ってください。

黄砂に・・

今日の黄砂はすごかったですね。本校からの景色も、近隣の家屋の屋根がかろうじて見える程度でした。視界はざっと2~3㎞程度で、鞍掛山もほとんど見えませんでした。黄砂は、大陸のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠で巻き上げられた砂が、はるか何千キロ離れている日本にも運ばれて起こる現象のようです。気温は心地よい季節なので、窓を開けて換気したいのですが、なかなか難しいですね。

校舎からの景色 桜と白山

本校校舎から、遠くにまだまだ深い雪を抱いた白山が見えます。近くには校庭の満開の桜が咲き誇っています。なかなかの絶景です。今日は天気も良く、青空に白山の白と桜のピンクが映えていました。来校の際は、本校ならではの風景を味わってください。

令和6年度 入学式 式辞

式辞

  校庭を彩る満開の桜が、春爛漫を感じさせる季節を迎えています。このよき日に、育友会会長はじめ、来賓の皆さまのご臨席を賜り、令和六年度入学式を挙行できますことを 心より感謝申し上げます。

 163名の新入生の皆さん、保護者の皆さま、ご入学おめでとうございます。今ほど、皆さんの元気な返事を聞き、大変嬉しく思います。今日からここ南部中学校の生徒になりました。全校生徒は477名となり、ともに新たな南部中学校の歴史と伝統を築いていくことになります。

 皆さんが身に着ける本校校章は南十字星を形取っています。また、校歌には「明けゆく加賀のみんなみに 光るしるしの十字星」という歌詞があります。南部中学校での生活のあちらこちらで、南十字星が登場します。

  南十字星とは、南半球で見ることができる星座で、北の北極星と並び、古くから船乗り達が大海原で迷うことのないよう正しい方向に導いてくれる大切な星座です。多くの人にとってあこがれの星座であり、オーストラリアやニュージーランドなど、国旗のデザインにしている国も少なくありません。

 小松市の南に位置する我が南部中学校の生徒たちは、伝統的に「小松の南十字星になる」~君の心の中に南十字星は輝いているか~というスローガンを掲げ、勉強や学校行事、部活動に意欲的に取り組んでいます。

 新入生の皆さんが、こうした良き伝統を引き継ぎ、充実した中学校生活を送るために心がけて欲しいことを、スローガンに関わって二つお話しします。

 一つ目は、何事も自分で考え自ら行動し、自分らしく輝いてほしいということです。夜空に輝く星が、自ら赤や青の光を出して輝いているように、何事も自らの意思でしっかり考え正しく行動してほしいと思います。そのために大切なことは、授業でしっかりと学び、友達と関わり、部活動に励み、自ら輝くための学力や人間力を高めることです。中学校3年間での授業時数の合計は、3千時間を超え、部活動などの放課後の活動も、千時間近くに上ります。1日1日を、1時間1時間を大切に、勉強や部活動に取り組むことで、自ら輝く力を身に着けることができるでしょう。

 二つ目は、学校や家族、そして社会に貢献できる人になってほしい、ということです。南十字星が、大海原で迷わないよう人々を導いたように、みんなも、周りにいる人たちのために活動し、その人たちの助けとなってほしいと思います。元旦に発生した能登半島地震において、多くの若者が避難所でボランティアとして活躍したことが報道されていました。若い皆さんが学校や家庭、地域で活躍することは、多くの人たちにとって希望となります。友達や家族を大切に思い、その人たちのために行動できる人、そして社会に貢献できる人になってほしいと思います。

  以上二つのことをお願いしましたが、これからの三年間には大きな壁や高いハードルがあるかも知れません。困難に直面し、目指すべき南十字星を見失い、進む道に迷うこともあると思います。そういうときに助けとなるのが、仲間の存在です。時には友達が、時には上級生がみんなの支えとなってくれるでしょう。また、私たち職員も、一人一人の成長を願い、その頑張りを心から応援します。不安なときは、仲間や先生方に遠慮なく相談してください。多くの人たちが、みんなの成長を見守っています。

 保護者の皆様、お子様が思春期を迎える中学生時代は、保護者にとっても期待と不安が交錯する時期です。私たち職員一同、皆様とともに、誠意をもってお子様の成長を支えていきたいと思います。何卒、よろしくお願いいたします。

 結びとなりますが、ご来賓をはじめ、地域の皆様方による、本校教育活動への多大なるご支援ご協力に対しまして、厚くお礼申し上げます。今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、本日入学しました163名の生徒の成長を、温かく見守ってくださいますようお願いを申し上げ、式辞といたします。

 令和六年四月八日 

          小松市立南部中学校 校長 亀田 憲一郎